ワイン投資とは?メリット・デメリットと「プリムール」について

「ワイン投資」は日本ではまだあまり馴染みがないかもしれませんが、ヨーロッパでは古い歴史を持ち、古代ローマの時代にはすでにオークションが行われていたことが知られています。

この記事では、趣味としても楽しめるワイン投資の魅力や、ボルドーの「プリムール販売」について紹介します。

ワイン投資のメリット・デメリット

ワイン投資のメリット

ワインには金融商品にない魅力があり、どのようなメリットがあるかご紹介します。

オルタナティブ投資に向いている

ワイン投資は、オルタナティブ投資の一つに分類されます。

オルタナティブ投資とは、株式や債券などの代表的な投資商品と相関性が低いとされる一連の運用対象に投資することです。

ファインワインの価格の値動きは、株式や国債、不動産等の資産との相関性が低く、経済が悪化していても、ワインは不況に強い特性があるため、優れた投資パフォーマンスを発揮します。また、ワイン投資はアートや時計、車などと比べてトラックレコードが出ていてわかりやすい点も特徴です。

値崩れを起こしにくい

金やワインなどのように、実物を投資対象とするものは価値がゼロになるリスクが極めて低いです。また、良いワインには希少性があるので値崩れが起きにくいと言われており、特に高品質のワインは需要が安定し価値が下がることが少ない傾向にあります。

ワインは本来、飲んで楽しみ、生活を豊かにする嗜好品です。古いヴィンテージのワインであればあるほど年々消費され、市場に供給されている数は常に減っていく、そうして希少価値が生まれ、価格が高騰します。

自身で飲む楽しみができる

前述のとおり、ワインは本来嗜好品です。投資先としての魅力だけでなく、趣味や楽しみとしての側面があります。趣味としてワインの知識を増やし深めることで、より効果的な投資ができることもあります。

また、ワインが好きだという前提であれば、コレクションして楽しむことも、購入したワインの一部を自分で飲んで楽しむことができるという点もワイン投資の魅力です。思うように価格が上がらなくても、失敗ではなく飲む楽しみとなります。楽しみながら資産を増やせるのは素敵なことですね。

ワイン投資のデメリット

一方で、ワイン投資にはデメリットや注意点もあります。

短期投資には向かない

流動性は有価証券には及ばず、短期投資には向きません。ワイン投資では、年数をおくことで熟成させ、価値が上昇します。過去のデータからも、高品質のワインは長期的には価格が上昇する可能性が高いと言えますが、短期的には下落する場合もあります。

ワインへの長期投資は、時間の経過とともに大きなリターンとなり、過去10年間では年間平均10%以上のリターンを示しています。

※過去のリターンは将来のリターンを保証するものではなく、実際は期待値から乖離する可能性があることをご留意ください。

知識が必要

投資全般にいえることですが、どの銘柄が人気なのか、どの商品が値上がりするのかを判断するために知識は大変重要になってきます。ただし、ワインファンドに投資するなど、プロに任せるという方法もあります。

保管方法

ワインはとてもデリケートです。保管状態が悪ければワインを台無しにしてしまいます。レンタルセラーと呼ばれるワイン保管サービスも存在し、多くのレンタルセラーでは自家発電設備により停電の際にも保管環境を維持してくれるので安心です。管理費や手数料がかかることは考慮しましょう。

ワインの購入から保管、管理、売却まですべてを任せられる「WineBank(ワインバンク)」「Vinovest(ヴィノベスト)」などを利用いただく方法もあります。

徹底した品質管理のもと、専用のセラーで保管しますので適切な管理が可能です。

「WineBank(ワインバンク)」や「Vinovest(ヴィノベスト)」などを利用する方法については「ワイン投資のやり方について」で詳しく紹介しています。

ボルドーの先物取引「プリムール」について

プリムールとは

プリムールとは、フランス語で「新しい(Premiere)」という意味があり、簡単に言うとワインの「先物買い」で、まだ商品になっていない樽成熟中のワインを一部先行販売するボルドーの販売システムです。

まだ市場に出回る前に取引できるため、当たり年のワインを通常より安い価格で、投資家やワイン愛好家が購入できるチャンスでもあります。インポーターとして信頼のある会社を活用すれば、その後の貯蔵もスムーズとなります。

記念年にプリムールを購入するという楽しみ

欧米では昔から、子供の生まれ年のワインをプリムールで2ケース購入し、1ケースは例えば誕生日などに飲み、もう1ケースは子供が成人するまで熟成させるそうです。

子供が成長する年月と同じ時間をかけて熟成した、同い年のワイン。誕生日などの記念日には、味の変化を楽しみながらグラスを傾け、我が子の成長を見つめ、かけがえのない時間を過ごす。それはとても豊かな時間だと思うのです。

そして子供が成人したとき、沢山の思い出を振り返りながら一緒に飲む、または、プレゼントしても素敵ではないでしょうか。

結果的に資産価値も上がり、元本を回収しながらもファインワインを楽しむ。

こういった昔ながらの欧米の心豊かな暮らしがワイン投資の原点なのではと考えています。

結婚や我が子の誕生、マイホームの購入など人生の節目やメモリアルな年のワインを購入し、数十年熟成させる。銀行に預けたときに得る金利よりも、多くの悦びが人生にプラスされるのではないでしょうか。

まとめ

投資の方法は様々ですが、その中でもワイン投資は商品自体を楽しみながら行える投資です。

「資産価値」と「嗜む楽しみ」を兼ね備えたファインワインが、人生を豊かにしてくれるはずです。